骨粗鬆症について

骨粗鬆症のイメージ写真

骨粗鬆症は、骨量が減少し、骨がスカスカになって骨折などを引き起こしやすくなる病気です。
骨量は、20~30歳頃の若い時期をピークに、加齢とともに減少していきます。この骨量の減少が続くことによって骨粗鬆症になってしまうのです。
患者様自身は気づいていないことも多いのですが、骨は弱っていきます。これによって、背骨が体の重みで潰れる、背中や腰が曲がる、気づかない間に圧迫骨折が起きているほか、ちょっとした転倒で骨折(脆弱性骨折)を起こすこともあります。
骨粗鬆症による骨折から、要介護状態になり寝たきりになってしまうケースもよくみられます。

骨粗鬆症の診断・検査

骨粗鬆症の診断にあたっては、骨密度検査、X線検査、身長測定などが行われます。
このうち骨密度検査は、主に全身型の骨密度測定装置を使用します。これはDEXA法と呼ばれるものであり、高低2種類のX線を測定部位に照射し、その透過度をコンピュータで解析し、骨量を調べます。
測定する骨は、主に腰椎や大腿骨頸部です。短時間で測定できますし、誤差も少ないので、骨量測定における標準的な検査法とされています。
当クリニックで導入している骨密度測定装置では短時間での検査が可能ですので、ご希望があればご相談ください。

X線検査は、胸椎や腰椎のX線写真によって骨折や変形の有無を調べます。
骨粗鬆症とそのほかの疾患を鑑別する際に必要な検査です。
また、身長も測定し、青年期の身長と比べて、どのくらい縮んでいるかを調べます。

骨粗鬆症の治療

骨粗鬆症の治療は、食事療法、運動療法、薬物療法を組み合わせて行います。
このうち食事療法は、骨の主成分であるカルシウムやたんぱく質、骨のリモデリングに必要なビタミンDやビタミンKを積極的に摂取します。
具体的には、カルシウムを700~800mg/日、ビタミンDを400~800IU/日、ビタミンKを250~300μg/日ほど摂取します。

また、運動療法も重要となります。
骨は運動をして体重負荷を掛けることによって増加し、丈夫になります。
さらに筋肉を鍛えることで体をしっかりと支えられるようになり、バランス感覚も向上して転倒防止にもつながります。
強度の高い運動をする必要はありませんが、スイミングやジョギングなどの有酸素運動を毎日30分程度は行うようにしましょう。

なお、骨粗鬆症の病状が進んでいる患者様には、食事療法や運動療法だけでなく薬物療法も行います。
使用する薬剤には、骨の破壊を抑制するお薬、骨量を増加させるお薬、食事によるカルシウム不足を補うお薬などがあります。
骨粗鬆症の治療薬は日々新しいものがでてきています。
内服薬や注射薬など多く種類の薬があるので、患者様の生活スタイルに合わせて医師が選択いたします。